🍙 キンパ ― 韓国が誇る巻き物グルメのアイデンティティ

Tteokbokki
一見すると、キンパ(김밥/海苔巻き)は日本の寿司に似ているかもしれません。
しかし一口食べてみると、まったく違う物語が広がります。
寿司のご飯は酢で味付けされていますが、キンパのご飯はごま油(참기름)と塩(소금)でほんのり風味づけされており、香ばしくまろやかな香りが特徴です。
そして具材は? 色とりどりの韓国の人気食材が詰まっています。
たくあん(단무지)、炒めたほうれん草(시금치)、にんじん、卵、さらにプルコギ(불고기)、ツナマヨ、スパム、キムチなどのタンパク源も加わります。
キンパは韓国版サンドイッチとも言える存在で、持ち運びに便利でカスタマイズ可能。
遠足、登山、ピクニック、またはコンビニでの手軽な食事として大活躍しています。
乾燥海苔(김)でしっかりと巻かれ、一口サイズにカットされていて、見た目も機能性も抜群です。
キンパの起源については諸説あり、植民地時代の日本の「海苔巻き」から影響を受けたという説もあれば、韓国独自に発展したという見方もあります。
いずれにせよ、キンパは日常の定番料理として、韓国の創意工夫と味の象徴としての地位を確立しました。
現在では、三角キンパ(삼각김밥/コンビニで売られる三角形タイプ)、ベジタリアンロール、チーズ入り、トリュフオイルやスモークサーモンを使ったグルメ版まで、バリエーションは無限大。
SNSでは、複雑な模様やテーマ性を持った「キンパアート」も話題になっています。
キンパの本質は、「バランス」。
食感、味、そして作り手の思いやり。
一切れ一切れに、伝統と創造性がギュッと巻き込まれた、韓国の味わいが詰まっています。